寝る時 エアコン 温度:睡眠と室温について、寝室の暑さ・寒さ・冷房の研究が示すこと
寝る時 エアコン 温度に決まった数字はあるのか。睡眠の室温について、寝具、蒸し暑さ、エアコンのつけっぱなし、冬の寒い寝室を扱った三つの研究が示すことをまとめました。
寝る時 エアコン 温度は何度に設定すればよいのか。多くの人はサーモスタットやエアコンに入れる一つの数字を探します。この記事は研究にその数字を探しに行き、見つけられませんでした。使うのは三つの研究です。温熱環境が睡眠に及ぼす影響のレビュー、アメリカの夜間気温と睡眠不足の調査、そして韓国の夜間気温と睡眠薬の処方に関する研究です。
これは情報提供であり、医療上のアドバイスではありません。眠れない状態が数週間続くなら、相談先は温度設定ではなく医師です。
寝る時 エアコン 温度:決まった「正解の数字」はない
三つの資料のどれも、理想的な寝室の温度を挙げてはいません。18℃や「16〜19℃」といった数字は理想としてよく引用されますが、これらの論文には出てきません。代わりに書かれているのは、もっと役に立つ反面、きれいにまとまらない内容です。何をかけて寝るか、暑さがどれだけ蒸すか、部屋がどれだけ冷えるか、そしてエアコンが何時に動いているか、の四つです。
主な資料は2012年の岡本・水野によるレビューです。出発点は、暑さも寒さもたいていは覚醒を増やし、レム睡眠と徐波睡眠を減らすが、その大きさは寝具と衣類に大きく左右される、という点です(Okamoto-Mizuno & Mizuno, 2012)。暑さ・光・気圧が睡眠にどう関わるかの比較は天気と睡眠をご覧ください。ここで扱うのは、部屋そのものというもっと狭い問いです。
睡眠 室温 最適:寝具で答えが変わる
レビューには、推奨のように聞こえるものの推奨ではない基準点が一つあります。裸に近い人の熱中立温度は気温29℃で、それより高くても低くても覚醒が増え、レム睡眠と徐波睡眠が減ります。これは毛布も衣類もない実験条件であり、エアコンの設定値ではありません。
実生活では布団をかけて寝ます。すると様子が変わります。衣類や寝具を使った研究では、気温13〜23℃の範囲でも3〜17℃の範囲でも、睡眠に有意な差は見られませんでした。高齢者では、アクチグラフィで測った睡眠の質に9℃と20℃で差がありませんでした。レビューの読みは、寝具があればこの範囲の寒さは睡眠段階を変えない、というものです。
もう一つの温度があります。布団の中の温度です。レビューによると、睡眠が正常なとき、寝床内気候は通常32〜34℃、相対湿度40〜60%前後に保たれています。部屋の空気は、体が向き合っているもののほんの一部です。寝具は自分と部屋のあいだにあるので、同じ室温でも寝床内気候が同じとは限りません。
蒸し暑さは熱の負担を増やす
寝具がある状況では、暑さは覚醒を増やし、徐波睡眠とレム睡眠を減らします。レビューは、蒸し暑さが熱の負担をさらに増やすと述べています。紹介されている実験では、26℃・湿度60%のままの夜と、夜の一部を32℃・湿度80%に切り替えた夜が比べられました。32℃・湿度80%では徐波睡眠が最も影響を受け、レム睡眠は保たれました。
日中の暑さと湿度については暑さと湿度、そして疲労をご覧ください。部屋の湿度は見積もることができます。サイトには外の天気から部屋の湿度を求める計算ツールがあります。冬向けに作られているので、暖房した部屋の目安として使ってください。
寝る時 エアコン 温度 湿度:つけっぱなしで寝てよいか
「寝る時 エアコン 温度 湿度」のような検索は、研究が一部しか答えていないことを尋ねています。三つの論文のどれも、エアコンの設定を試してはおらず、普通の寝室で一晩つけっぱなしと部分的な使用を比べてもいません。
レビューが伝えているのは習慣です。日本では多くの人が、エアコンを寝ついてから数時間だけ使います。体に悪いと考えるからで、省エネのためでもあります。26℃と32℃の実験から、著者らは、使用を限るならエアコンは睡眠の前半に使うのがよいと結論づけています。夜の後半に使うなら、汗を拭いて着替えることが、体の冷え(「chilling effects」)を避けるために重要だと述べています。
これは、蒸し暑さを使った一つの実験室実験にもとづく著者らの結論です。一晩中つけておくのが有害だ、あるいは安全だ、という決まりではありません。
よくある続きの質問に、エアコンで風邪をひくのか、喉が痛くなるのか、というものがあります。これらの研究は、それについて何も述べていません。冷えが風邪につながるかは別の問いで、風邪は「冷え」でひくのかで扱っています。赤ちゃんや小さな子どもについては小児科医に尋ねてください。ここのデータは対象にしていません。
冬の寝室温度:感じない寒さ
レビューでいちばん意外なのは寒さについてです。寝具があれば、寒さにさらされても睡眠段階は変わりませんでした。一方、睡眠中の心臓の自律神経反応には影響があり、それも睡眠段階や本人の感じ方は変わらないままでした。気温が17℃から3℃に下がると、睡眠中の心拍変動の指標が変化しました。
これを根拠に著者らは、実生活では寒さの影響が暑さより大きい可能性があるとし、さらなる研究が必要だと述べています。同じ箇所に「It is extremely important to note that Ta in winter should be maintained at a level higher than 10°C」とも書かれています。これはレビュー中の一文として引用するもので、測定された境界値でも、サーモスタットの目標値でもありません。著者らは、難しいのは寒さでは睡眠そのものが乱れないことで、そのため自覚のないまま影響が出うる、とも付け加えています。また、日本の郊外では冬の寝室温度が3℃まで下がることがあるとも記しています。
したがって、冬の睡眠の温度についての誠実な答えは、数字よりも狭いものになります。毛布の中では快適に感じる寒い部屋でも意味を持ちうる。ただしどの程度かを示すデータは乏しい、ということです。
屋外の夜間気温と睡眠
大規模な研究が二つあり、どちらも寝室ではなく屋外の気温を見ています。
アメリカの調査では、2002〜2011年の回答者76万5000人の回答を夜間気温と突き合わせました。暖かい夜は、自己申告の睡眠不足の夜を増やしました。影響は夏に、そして低所得の回答者と高齢の回答者で最も大きくなりました(Obradovich et al., 2017)。抄録には気候モデルによる将来の見通しも含まれていますが、この記事では使いません。
韓国の研究では、成人71万1079人のうち約6%(4万2858人)に睡眠薬が処方されていました。夜間気温(23:00〜07:00の地区の平均最高気温)と処方量の関係は非線形のU字型でした。基準の10〜15℃に比べて、0℃以下と0〜5℃、さらに20〜25℃と25℃以上のカテゴリーで処方量が多くなっていました(Min, Lee & Min, 2021)。
どちらも観察研究です。どちらも屋外の気温を使っており、どの寝室の温度でもありません。睡眠の測り方は、一方は自己申告、もう一方は処方で、どれだけ眠れたかとは同じではありません。示されているのは関連であり、原因ではありません。10〜15℃という基準は屋外気温の統計上の出発点であり、寝室への推奨ではありません。
まだ誰にも分かっていないこと
- 特定の寝具の下で、どの気温がいちばんよいのか。レビューは広い範囲で有意差なしと報告しており、最適値を挙げた論文はありません。
- エアコンを一晩中つけるのは、数時間より良いのか悪いのか。使用時間帯についての実験は、蒸し暑い条件での一つだけです。
- 寒さが心臓に及ぼす自覚のない影響が、健康にどれだけ重要か。著者らはさらなる研究を求めています。
- アメリカの調査や韓国の処方データが、あなたの部屋について何か言えるのか。これらは集団と屋外の空気についてのデータです。
- 乳児や子どもについて、ここでは何も分かりません。
自分のデータで確かめられること
MeteoHealthアプリは、あなたの睡眠の質を、快適指数や気圧の変化といった屋外の天気データと突き合わせ、あなた自身の記録からパターンを探します。寝室の温度は測りませんし、エアコンがついていたかどうかも分かりません。基準値を示すことも、診断することもありません。暑い夜に睡眠が悪くなるなら、それが記録上の屋外の暑さと重なるかどうかをアプリは示せます。毛布の中で何が起きていたかは、自分で記録するしかありません。
- Effects of thermal environment on sleep and circadian rhythm — Okamoto-Mizuno & Mizuno, Journal of Physiological Anthropology, 2012.
- Nighttime temperature and human sleep loss in a changing climate — Obradovich et al., Science Advances, 2017.
- High and low ambient temperature at night and the prescription of hypnotics — Min, Lee & Min, Sleep, 2021.