高気圧と低気圧の違いを天気図で確かめる
高気圧と低気圧の違いは、定義を読むより動かして見るほうがよくわかります。街の周りの地図に「低」と「高」の2つの札があります。札をドラッグし、スライダーで中心の気圧を変えると、等圧線、風、空模様がどう変わるかを見られます。下の5つの課題が最初の手がかりです。
「低」と「高」を地図上でドラッグしてください。 ボタンで気圧配置を選び、キーボードの矢印キーで動かすこともできます。
学習用モデルです。気圧と風は簡略化して計算しており、予報ではありません。
高気圧と低気圧の違い:中心の気圧と空気の動き
低気圧は、周りより気圧が低い領域です。高気圧は、周りより気圧が高い領域です。天気図では中心にLとHの文字を書き、そのまわりを気圧の等しい点を結んだ閉じた線が囲みます。高気圧では中心に向かって線の値が大きくなり、低気圧では小さくなります。
このシミュレーターでは、「低・996」の札が低気圧の中心、「高・1026」の札が高気圧の中心にあたります。背景の気圧は1013 hPaで、それぞれの気圧配置は半径およそ700 kmのドーム状です。
高気圧と低気圧の違いを一言でいうと、低気圧は中心の気圧が低く天気が崩れやすく、高気圧は中心の気圧が高く晴れやすい、ということです。晴れは、夏は暑く、冬は冷え込みやすい天気を意味します。
等圧線の見方:風の強さはどこで決まるか
等圧線は、気圧が同じ値の場所を結んだ線です。天気図の読み方の第一歩は、HとLの中心を探し、次に線が混み合っている場所を見ることです。等圧線の間隔が狭いほど、その区間で気圧は急に変わります。この変わり方の大きさを気圧傾度と呼びます。
風速は気圧傾度に比例します。等圧線が混んでいる場所では風が強く、間隔が広い場所では弱くなります(NOAA, 風の成り立ち)。このシミュレーターは4 hPaごとに等圧線を引きます。気圧配置を近づけると、間の線が詰まっていく様子で、この規則を確かめられます。
風は吹いてくる方角で呼びます。西風は西から吹く風で、街の表示も「風の吹いてくる方角:西」となります。
風の向き:コリオリの力・摩擦・南半球
風には3つの力が同時に働きます。気圧傾度は、空気を高気圧から低気圧へ押します。地球の自転によるコリオリの力は、動く空気を北半球では右へ、南半球では左へ曲げます。3つ目は地表との摩擦で、風を弱めます。
気圧傾度とコリオリの力だけなら、風は直線の等圧線に沿って吹きます。摩擦があると、風は等圧線をわずかに横切り、高気圧の中心から外へ、低気圧の中心へ向かいます。北半球では、風は高気圧の周りを時計回り、低気圧の周りを反時計回りに吹きます。このモデルでは、地表近くの風は弱められ、低気圧側へ20°曲げています。
南半球ではコリオリの力が左へ曲げるので、向きが逆になります。低気圧の周りが時計回り、高気圧の周りが反時計回りです。シミュレーターで半球を切り替えて確かめてください。
低気圧で雲や雨ができ、高気圧で晴れやすい理由
地表付近では、空気が一か所に溜まり続けることはできません。低気圧のまわりでは風が中心に集まり、空気は上昇するしかありません。上昇した空気は冷え、水蒸気が凝結して雲ができ、やがて雨や雪になります。低気圧の近くで天気が崩れやすいのはこのためです。
高気圧のまわりでは反対のことが起きます。空気は中心から外へ広がり、上空から空気が下りてきます。下降する空気は暖まり、蒸発が凝結を上回って雲が消えていきます。高気圧に晴れた天気が結びつきやすいのはこのためです。
「やすい」という言葉が大切です。これは傾向であり、毎日当てはまる決まりではありません。シミュレーターでは、雲は低気圧に近いほど増え、高気圧に近いほど減ります。結果は街の表示に、晴れ・くもり・雨として出ます。
天気図を読むときの注意:このシミュレーターが省いているもの
ドームは真円で、下に山も海もなく、陸と海の違いもありません。このモデルに前線はありません。実際の天気図では、性質の違う空気のかたまりの境目を前線として描き、天気の急な変化は前線がもたらします。現実の低気圧は左右対称ではありません。そのためシミュレーターは仕組みを説明するだけで、何も予測しません。
この先数時間の街の気圧は、今日の気圧で確認できます。気圧の変化と頭痛について分かっていることは、記事気圧と頭痛にまとめています。
これは学習用のモデルであり、天気予報でも医学的な助言でもありません。現実の低気圧は非対称で前線を伴います。予報はお住まいの国の気象機関でご確認ください。